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コラム

ワクチンの話
本格的な冬に向けて、朝晩とだいぶ冷え込むようになって来ましたがみなさん体調を崩したりしていませんか?
 冬といえばインフルエンザの流行の季節ですね。そろそろ予防注射を受けたという方も多いのではないでしょうか?この予防注射に使われているのがワクチンですが、現在ワクチンはインフルエンザのみならず、様々な感染症に対するものがあります。ワクチンは感染症の予防という面では人医療のみでなく、獣医療においても大切な役割を果たしています。
 既にみなさんもご存じの通り、わんちゃんねこちゃんにおいてもワクチン接種によって予防できる病気があります。そして、今回のコラムではねこちゃんの混合ワクチンから紹介しようと思います。

ワクチンは18世紀初頭にイギリス人のエドワード・ジェンナーにより発見された天然痘のワクチンが最初とされています。最初は乳牛の世話をしている人たちが牛痘にかかった人に、天然痘になる人がいないことから、そこに着目し、これを応用して創りだされたのが天然痘のワクチンだったようです。その後、ルイ・パスツールにより弱毒化された病原体の接種が免疫獲得につながることが証明されると、様々な人の手を経て安全かつ効果的なワクチンの開発が行われてきました。
現在、ワクチンには大きく分けて生ワクチンと不活化ワクチンがあります。いずれのワクチンも健康な体の中に病原体を摂取することで免疫反応を誘発します。この免疫反応により体が抗体を作るようになると、以降、感染源となる病原体の進入時にはその抗体の活躍により病気に感染することを防いだり、感染してもその症状を軽度に抑えることができます。

さて、本題のねこちゃんのワクチンですが、当院で扱っている混合ワクチンには3種と5種があります。この他、単味のワクチンで猫エイズのワクチンも用意しております。それぞれによって予防できる感染症は以下のとおりです。毎年接種しているという方も、どんな病気のワクチンなのかもう一度確認してみてください。

猫の混合ワクチン
3種混合ワクチン5種混合ワクチン
・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症
・猫汎白血球減少症
・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症
・猫汎白血球減少症
・猫白血病ウイルス感染症
・猫クラミジア感染症


<猫ウイルス性鼻気管炎>

・猫ヘルペスウイルスが原因
・鼻炎、くしゃみ、などの呼吸器症状

特に子猫では症状が重篤となり鼻汁、くしゃみに続き発熱、元気消失、食欲不振がみられることもあります。
その他にも症状が眼にも及び、角膜や結膜に炎症がおきて目やにが増えたり、見た目にも眼が腫れ上がってしまうことがあります。
 更に、クラミジア、ボルデテラなどの病原体と混合感染を起こすことにより、症状がより重症化することがあります。
 この感染症はねこちゃん同士の間で感染が成立するため、複数飼育のお宅では、他のねこちゃんに移らないよう配慮が必要です。また、回復後にもウイルスが潜伏感染するとそのねこちゃんがキャリアと呼ばれる感染源になることがあります。

<猫カリシウイルス感染症>

・カリシウイルスが原因
・鼻汁、目やに、くしゃみ、食欲不振 など

悪化すると、舌や口の中に潰瘍をつくることがあります。
また、重症例では死亡することもあります。



<猫汎白血球減少症>

・パルボウイルスが原因
・白血球減少、発熱、元気消失、食欲低下、嘔吐、下痢などの消化器症状 など

悪化すれば死に至ることもあります。
特に子猫では症状が重篤化し、死亡することがあります。
感染猫は回復しても排泄物中にウイルスを排泄します。

<猫白血病ウイルス感染症>

・レトロウイルス科の猫白血病ウイルスが原因
・全身リンパ節の腫脹、発熱、元気消失、食欲低下 など

感染後、急性期には血液検査で白血球の減少、血小板減少、貧血などがみられます。
特に子猫ではこのような症状が重症化し、死亡することもあります。感染したねこちゃんは、このような急性期を乗り越えた場合、一過性の感染で終わる場合とウイルスを体内に保持し続けて持続感染となる場合があります。持続感染となった場合、その後もリンパ腫、白血病などの造血器腫瘍や、貧血を起こしたり、ウイルスによって引き起こされる免疫不全、免疫異常により、二次感染を起こしやすくなります。
この感染症は、母猫が感染している場合、生まれてくる子猫も胎盤を介して感染、もしくは母猫の母乳から感染をすることがあります。
また、成猫でもウイルスは唾液を介して感染するため、ケンカなどによる噛み傷からは効率に伝染すると考えられています。その他にもグルーミングや食器の共有により経口感染することがあります。

<猫クラミジア感染症>

・クラミジアという細菌より更に小さな病原体が原因
・結膜炎、目やにの増加、目が腫れるなどの症状
・鼻汁、くしゃみ、咳などの呼吸器症状人獣共通感染症です。

稀ですが人での発症も報告があります。

<猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)>

・レトロウイルス科に属する猫免疫不全ウイルスが原因
・猫エイズとも呼ばれる
・症状は時期により異なる

 
ウイルス感染後、4~6週間の潜伏期の後、急性期と呼ばれる時期に移ります。この時期は全身のリンパ節が腫れたり、発熱、白血球減少が見られることがあり、数ヶ月~1年にわたりこのような時期が続くこともあります。この時期を過ぎると無症状の時期が続きます。
その後、慢性的な症状がみられるようになり、この時期には免疫力の低下によって様々な症状が現れるようになります。よく見られる症状は歯肉炎、口内炎、口臭やよだれ、慢性的な鼻炎、結膜炎ですが、慢性的な下痢や発熱を起こすこともあります。
更に、エイズ期と呼ばれる時期になると免疫機能が働かない免疫不全の状態になるため、日和見感染、悪性腫瘍が発生しやせ細り衰弱して死に至ります。
猫免疫不全ウイルスはこのウイルスに感染している猫の唾液がケンカ傷などから体内に入ることにより感染しますが一度感染するとこれを完全に治す治療法はありません。
感染しないことがこのウイルスから身を守る唯一の方法になります。

これらの感染症がねこちゃんのワクチンで防げる病気です。
ねこちゃんの混合ワクチンの接種は初年度に2回、2年目からは年に1回の接種が推奨されます。猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)のワクチンに関しては初年度は3回、2年目からは年に1回の接種となります。月齢や個々の生活環境、体調によりこの限りではないこともありますので、接種するワクチンの種類や接種時期については診察の際に獣医師にご相談ください。


次回のコラムではわんちゃんの混合ワクチンについて紹介したいと思います。

2011/11/30 14:11
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